弁護士コラム

2021.11.02

弁護士 是澤 雄一

管轄

「管轄」とは、特定の事件を、どの裁判所が担当するかという問題です。民事訴訟法等では管轄について細かいルールが決められており、訴訟提起等をする際は、どの裁判所へ訴状等を提出するか、十分に検討する必要があります。

 

1 専属管轄
  特定の裁判所だけが管轄権を有する場合があります。例えば、特許権等に関する訴えについては、東京地方裁判所や大阪地方裁判所が専属的に管轄権を有することとなります。

 

2 事物管轄
  専属管轄を除き、訴訟物の額が140万円を超える場合は地方裁判所、140万円以下の場合は簡易裁判所がそれぞれ管轄裁判所となります。また、非財産権上の訴訟や訴額の算定が困難である場合には、訴訟物の額が140万円を超えるものとして地方裁判所が管轄裁判所となります。

 

3 土地管轄
どの地の裁判所が管轄権を有しているかの定めをいいます。
(1) 普通裁判籍
   原則、被告との関係で定められており、被告の普通裁判籍の所在地の裁判所が管轄裁判所になります。自然人であれば住所等、法人であればその主たる事務所又は営業所となります。
(2) 特別裁判籍
   普通裁判籍と競合的に認められるものです。
   例えば、義務履行地や不法行為地なども、管轄が認められます。
(3) 家事事件
   家事調停事件においては、相手方の住所地又は当事者の合意した家庭裁判所が管轄権を有することになります。人事訴訟事件においては、原告又は被告が普通裁判籍を有する地の家庭裁判所が管轄権を有することとなり、調停の場合と管轄地に違いがあります。

 

4 合意管轄
  第一審の裁判所に限って、当事者間の合意により特定の裁判所に管轄権を生じさせることが出来ます。

 

5 応訴管轄
  仮に管轄権のない裁判所に訴えが提起されたとしても、被告がこれを争うことなく応訴した場合は、管轄の合意があったとして、当該裁判所に管轄権を生じさせます。

 

6 兵庫県内の裁判所管轄地は、裁判所のHPに記載されております。

  https://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/kankatu/hyogo/index.html